昔の母校、今はもう廃校となってしまいましたが、当時としては珍しく、その校舎にはエレベーターがありました。
エレベーターと言っても、現代のような完成されたものではなく、吹きさらしの「かご」をワイヤーに吊るしたものといった御粗末なものでした。
そんな校舎で、やはり事故が発生してしまったのです。
ある女子生徒がエレベーターに挟まれて、即死状態というものでした。
事故の原因は、1階のエレベーターが降りる空洞部分に「髪飾り」を落としてしまい、それを取ろうとした女子生徒が不運にもエレベーターの下敷きになってしまったということです。
それ以来、エレベーターは使用禁止になってしまいました。
それから約2年ほど経った頃(昭和43年頃)のことですが、その校舎にも夜間警備員が常駐されるようになりました。
にわかに警備員が夜間に幽霊らしきものを目撃するといった話しが現れてきたのです。その話しを聞くと、新米の警備員が夜間にエレベーターを動かそうとすると、どうやらエレベーターが行きつく最上階から、怒号がするというのです。
「ウゴカスナッ」
更に、青白く半透明で薄く押しつぶされた霊魂を見たとのことです。
それ以来、その話しは校舎に纏わる伝説となっており、今も尚、エレベーターは動かず安置されているとのことです。
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