僕が小学校三年生の時の話
僕はクラスの中に広川くんという友達がいたんだ。
広川くんは、結構太ってて、空手やってて、かっこつけな、男の子だった。
ある時は道路の標識によじ登り、ゆさゆさして、標識を折っちゃったり、好きな女の子の前だと異様にかっこつけたり、僕にとっては見ていて飽きない存在だった。
そんな広川くんの、僕にとって忘れる事がない話をしようと思う。
それは、春の暖かな日差しが降り注ぐ昼休み
僕が給食を食べ終えるとなにやら教室が騒がしい
するとそこには広川くんと他の男子がケンカ中!
ギャラリーには広川の好きな女の子
これは見逃してはいけないと思い僕も観戦することにした
広川くん「お前は俺には勝てない」
相手「。。。。」
広川くはチラチラ好きな女子を見ている
その隙を相手は見逃さなかった!
ローキック炸裂!
広川くん「アヒッ。」
小さな声がもれる
少し涙目
広川くん「全然蹴りがなっちゃいない。蹴りっていうのはなー!こうやって打つんだらっちゃられらー!」
広川くんの蹴り炸裂!
相手「。。。。」
広川くん「ちゃらー!ちゃられららー!ららー!」
蹴り連発
相手「。。。。」
どうやら効いてないようだ。
広川くんの顔からとめどなく涙が溢れだす。
広川くん「蹴り、、蹴、けりゃら○△×~」
変な泣き声が教室に響き、何とも言えない悲しい空気が漂う。。
春の木漏れ日。。
気持ちいい風。。
雲一つない青空。。
僕はふと空を見上げた。
すると何かこっちにくる。。
かなぶんだ。
緑色の空気読めないそいつは、ぐんぐん教室に向かってくる。
ギャラリーの何人かは気付いたようだ。
木漏れ日の光の中、そいつは、教室に入ってきて、泣いている広川くんの肩にそっと止まった。。
まるで慰めるように。。
慈愛に満ちたその姿を僕は今でも鮮明に覚えている。
その時、広川くんの肩の、カナブンがブルっと震え、再び、青空に飛び立った。。
高く高く飛んで行った。。
広川くんの肩には緑色のう○ちが。。。
どうやら置き土産のようだ。
なおも泣き続ける広川くん。。
春の暖かな木漏れ日。。
さわやかな風。。
雲ひとつない青空。。
肩に緑色のう○ちを乗せたまま、むせび泣く広川くん。。
僕はこれからも忘れない。。
さとーれさん(男性)よりの投稿
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