あれは、高2の孫娘が夏休みに1週間ほど泊まり込みでやってきた、ある夜の出来事であった。
女房も孫娘も奥の間で夢路についているに違いないと、私はパソコンをインターネットにつなぎ、ヌード鑑賞をしていた。
目を皿にして画面を見ていたから、背後に孫娘が立っているとは夢にも思わなかった。
だから「じいちゃん、こんなものに興味があるの」と彼女に声をかけられたとき、マウスを握っている私の右手は小刻みに震えた。画面の矢印マークも右往左往である。
だてに70歳という馬齢を重ねているのではない。私は落ちついたふりを装いながら、「男には雄の本能があってな、じいちゃんみたいなジェントルマン(?)でも、裸婦が見たいんじゃ。だから、お前も今後、めったなことで衣服を脱いではならんのじゃ」 と、半面教師役となった次第である。翌朝、女房からこっびどくお目玉をくったことは、言うまでもあるまい。
–END–
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