一人暮しを始めた、その夜。
真夜中にふと目が覚めて、導かれるようにトイレに直行した。
正直便意の欠片も無かったと思う。
首をかしげながらトイレに入ると、ぷつん、と途切れる様に電球が切れた。
脳裏にこのスレでみた話がよぎる。
ぞっとした、かなり。
ほんでもって慌ててトイレから出ようとしたのだがかけた覚えの無いトイレの鍵がそれを邪魔する。
ひねって開け閉めするタイプの鍵なので、ただドアノブを回しただけじゃ開かないのだ。
泣きそうになりながらがたがたやってると、追い討ちをかけるような事態が起こってしまった。
耳元でなんか聞こえた。
出てらっしゃい、とかそんなふうなのが聞こえた。
今度はほんとにぼろっぼろ泣きながらドアをがしゃがしゃやり続けた。
部屋に戻ったらすぐにテレビをつけるんだ、それから電気も全部つけるんだ。
とか考えてたら、やっとフックが外れた音がした。
やったやったワショーイ!!ってな感じで勢いよくドアを開けようとした。
ら。 ちょっとの隙間から目が見えた。
周りが暗くてよくわからなかったけど(今思うとそれって幸いだ…)
至近距離に目があった。
もう慌ててドアを閉めて鍵をかけた。
そのまままんじりともできなくて、真っ暗なトイレで一夜を過ごしてしまった。
何時間もたっていいかげん明るくなってきたから、転がる様にトイレから出た。
霊とゆうのを甘くみていたらしい。
もうあんなのには二度とお目に掛かりたくない。
今だに実家にパラサイトしている私は、それ以来トイレのドアを閉められない。
トイレのドア
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