はじめまして。これは私がまだ中学生のころ(いまからもう十年以上も昔)に実際に学校で体験したお話です。
あの頃私はサッカー部に所属していてました。
人数の多いマンモス校でしたから部員の数も多く、したがって一年生だった私たちは、実際の練習に参加できないばかりか、ボールにもさわらせてもらえないくらいでした。
毎日毎日、校庭脇の外周を晩まで走らされるだけでした。
しかし只一日中走り続けることなどできないので私たちはちょくちょく脇道にそれて休みをとっていました。
そんなある日、部員のひとりが突然、すごく怖いものがあるから一緒に見に行こうと誘って来たのです。
好奇心旺盛だった私は言われるまま彼について行きました。
そこは、その当時でももう使われることのなった旧木造校舎の便所でした。
古い美術室の脇にある小さな木造の建てもの。
もう使われることもなければ、そこに立ち入ることも禁じられていました。
そして彼は声を多少奮わせながら、ここの女子便所で凄くおそろしいものを見たと言ったのです。
私は多少ビクビクしながらも彼に押されるようにして中に入ったのです。
はられたロープをくぐり中に入ると、中はひどくさびれていて、人が二人すれちがえるかのスペースに狭く個室が並んでいました。
彼が、
そこの中!!
と指差した便器の中にはなんと、大量に捨てられた墓石があったのです!!
わたしはひどく身震いがして、彼と逃げるようにそこから飛び出して皆のいるグラウンドに戻りました。
そこで彼は、あの便所のあった場所は昔墓場だったらしいことを教えてくれました。
私たちが騒いでいると、他の一年生が集まって来て私たちの話にくわわってきました。
私たちがが説明すると何人かは走って確かめに行っていました。
輪の中にいたひとりが突然、「三番目の花子さん」の噂ってしてるかと聞いて来ました。
彼によると昔、うちの学校にはひどいいじめがあったらしく、当時足の不自由な花子さんは格好の的でした。
毎日休み時間になると皆にいじめられ、花子さんはそれが嫌で嫌でたまらなく、毎時間授業が始まるまで便所にこもっていました。
便所だけが彼女の落ち着ける場所だったのです。
しかしついにその隠れ場所も見つかってしまい、それから皆、彼女を引きずりだそうとやっきになりました。
始業ベルがなり皆いったん引き返しましたが、しかしとうとう花子さんは授業が始まっても戻って来ませんでした。授業をさぼったに違いないと思った皆は、つかまえていじめてやろうとさっきいた便所に戻り、わざと意地悪で扉を端からひとつずつノックして行きました。
「一番目ー、花ー子さん?」女の子の声が便所に響きます。
「二ー番目ー、花ー子さん?」
返事はありません。そしていよいよ彼女がいた便所の前にさしかかります。
くすくす笑う他の生徒達。
「三番目ー、花子さん!」とひとりの生徒がそういってドアを開けると・・・
そこにはなんと、首を吊った花子さんが!!!
それ以来、そこの便所はつかわれることもなく閉鎖されたままになったとのことでした。
しかし、本当に怖い思いをしたのは、それからもっと後のことでした。。。。
あの話を聞いて以来、私たちはそこに妙な険悪感を持ち、毎日近くに転がっていた、テニス部のボールを拾っては、その便所の壁にぶつけていました。
皆「三番目ーの、花ー子さん」と叫びながら・・・。
皆ボールを壁にぶつけるだけだったのですが、ある部員のひとりが、思い切って便所の中にまで投げ込んだのです。
その時でした、とても信じられないことがおこったのです!!!
なんと便所の中から世にも恐ろしい女の叫び声が聞こえて来たのです!!!
「きゃーーーーー!!!」
その声を聞いて私たちは一目散に駆け出しました。まるで逃げ遅れたものが呪われるかのように・・・。
しばらくの間、私たちはそのことに触れるのをさけました。忘れよう忘れようと努力していたのです。
そんなある日、ついに呪いがその姿をあら現わしたのです。なんとあのボールを投げ付けた少年が部活の
練習中、頭が痛いと言いだしたのです。すぐそばにいた私はどうしたのかと声をかけると、彼は
「あ、足がない・・・」
と言って私たちの立っていた砂場に倒れこみました。
そして
「足がないよー、足はどこ?!!」
と叫びながら、砂場をぐるぐるはいずり回るのです。
最初私はなんとも滑稽なその姿をみてまた彼のへたな冗談かなにかだと思い笑いながら手を差し伸べようとしたのですが、見ると彼の目の中や口の中は砂だらけになっているでないですか!!
病院に運ばれ緊急手術を受けた彼にあったのはどれくらい後だったでしょうか、
頭の一部をそった後のあった彼は足を引きずり手を奇妙におりまげ、親に連れられ学校に来ておりました。
人に聞いたところ、彼は脳血栓という血管がふさがる病気にかかり、右半身不随になってしまったそうです。
もとからそういう運命だったのか、それにしてはあまりにも偶然過ぎないでしょうか、その事実を知るものはいません。
ただ私にはあの時確かに花子さんの声が聞こえたように思えてならないのです。
いかがでしたでしょうか?大変長くなってしまいましたが、とりあえずこれが私の体験した怖い事のひとつです。
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