俺の臨死体験は、どうも良く聞く話しと微妙に違う。
7、8歳の時だったか、オタフク風邪を患った俺は高熱のために死にかけた。
病院に担ぎ込まれた時は、顔が紫色になっていて、集中治療室に入れられたらしい。
正直言うと、そんな記憶は微塵もないんだけど、変な記憶だけは鮮明に覚えてる。
どこかの工場の裏らしい場所で、俺は原っぱの中にエロ本を発見する。
その時の情景がおかしくて、工場らしい建物と原っぱ以外、周辺には水色の砂漠が広がっていた。
とりあえず、エロ本を開くと、最初のページから、ちょっとフェチ入ったエロ写真。
当時、純粋だった俺にとって、その本の内容は衝撃的なものだった。
しばらく、ページをめくっていると、水色の砂漠の向こうから、誰かの声が聞こえた。
その声は、何かを言っているようだったが、どうも聞き取りづらい。
耳を澄ませつつ、エロ本に視線を落としていると、耳元で
「もうちょいがんばれ、小僧」
とオッサンの声が聞こえた。
次の瞬間、エロ本が消え、工場も消えて、辺り一面真っ青な砂漠になり、目が覚めた。
一晩、昏睡状態だったらしい俺は、その後、驚異的な速度で回復して3日後には退院。
懸念された脳への後遺症も残らずに済んだ。
あれから15年、俺はマイピクチャーの中身を見つめつつ、時折、あのオッサンの言葉を思い出す。
オッサンが誰なのかは知らないが、溢れんばかりのフェチ画像を前に、いつも思う。
これを残しては、死ぬわけにはいかない。
まあ、何にしても、ありがとうオッサン。
Silentprayer
およよ はてな 似てるな
死にかけても性癖は何一つ変わらないんだな