お嫁に行く事になった。
結婚式場に向かう為に家を出る時、父が一つの小さな紙袋を渡してくれた。
「式場についたらあけなさい」
なんだろう?と不思議に思い式場につき、開けてみた。
お弁当だった。
小学生入学後初めての遠足の時、母親は妹弟(双子)のお産の為入院してた。
祖母がお弁当を作ってくれるんだろうなって思ってたら、普段は全く炊事をしない父が作ってくれた。
不器用な父が作ってくれたお弁当は、卵焼きが焦げてたり、おにぎりの具がはみだしてたり、不格好ながら、とっても嬉しかった。
お弁当の中身はあの時と一緒だった。
母に聞いたら、私が喜んだ事が嬉しくて、お嫁に行く時に渡す!と練習してたそうだ。
ちょっと甘い卵焼き、あの時より綺麗に焼きあがってた。
良いお父様ですね。