俺に小学の頃からの友達(Wとする)がいる。
Wは三度の飯よりゲームが好きな奴で勉強そっちの気でゲームばかりしていたから中学の頃、成績はほぼ最下位だった。(実際に見せてもらった)
そのせいか志望校を決める際、行ける高校は無いとまで担任に言われ、クラス中にも馬鹿にされていた(Wは気にもとめてない)
俺とWの他、数名がS高校を志望校にしていたのだが上記の通りWにはハードルが高すぎる高校だった。
因みに俺はそこまで成績は良くないけれどS高校なら可もなく不可もなく行ける高校。無理して上を目指して挫折するのも嫌だったし。
そして高校受験も終わり後は合格発表を待つだけになった。
Wに出来映えを聞いたら「えっ?いや、多分落ちたよ。俺が受かってたら皆志望校受かってるよ」と落ち込んだ様子もなく明るく言ってた。
待ちわびた合格発表日
俺は一人で来たからWと一緒じゃないがWはいなかった。
自分の受験番号を探していたら合格していた。
次の日、クラスは志望校受かった落ちたとかの話で盛り上がっていた。
そんな中、Wが教室に入るなり皆が問いかけた。
「W、お前どうだった?落ちた?」
担任にも見放され、クラス中から馬鹿にされたWの言葉
「受かったよ」
これには俺もそうだが全員驚いていた。
中には落ちて中卒確定になった人、辛うじて滑り止めに受かった人、志望校に全て落ちて高い入学金を払えば行ける私立に行った人たちだっていたからだ。
その日の帰りWは俺にS高校を志望校にした理由を話してくれた。
「俺、受験10日前、勉強しないから親父がゲーム機取り上げたんだ。でもただ取られるのも尺だったから条件を言ったんだよ。
『だったら勉強した時間の二倍ゲームやらしてくれ』てさ。
そしたらその条件呑んでくれたから家中の問題集かき集めて勉強したけど後一つ理由があってよ。
俺の好きな女子がS高校行くって聞いたからさ、想いを伝えるのに追いかけたんだよ。誰にも言うなよ」
「青春だねぇ(笑)」と返したが高校入学後Wとはクラスが違うので学校内で会うことは少なくなったので恋の結果はわからずじまいだが、人は強い決意があれば凄い力があることをWから教えてもらった。
『匿名希望18歳(年齢25歳・♂)』さんからの投稿です。
ありがとうございます。
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