そ、そして、ゆっくりと私に近づいて、またその袋を私に差し出したんです…。
受け取るしか、できませんでした。それでまた泣く泣くごはん作ってたんですが、その時に彼女の携帯が鳴って。
「はい。ああ…ええ。大丈夫よ。心配しないで」
友達だ!!そう思った私はとっさに駆け寄って叫ぼうと思いました。
でも、「助けて!!」って叫んだ瞬間、彼女が私がご飯つくってる間につけたテレビのボリュームを一気に上げて、
届かなかったみたいで…。
しかも、またあの独特の無表情で私を見てます。そのまま
「…うっかりボリューム上げちゃったわ。ええ、…じゃあ、また電話させるわね。元気になったら。おやすみなさい」
そう言って電話が切れて、まんじりともせず私を見る彼女の恐ろしかったこと…!!
「…友達が来てて『助けて』は失礼なんじゃない?あなた、案外人が悪いのねえ」
「……」
震えて後ずさる私へゆっくり近づいてくるんですが、もう、なんかその姿は…この世のものとはとても思えませんでした。
怖い!!!
「…お肉、焦げるわよ?早くして。お腹が減ると機嫌が悪くなるって昨夜も言ったでしょう?」
そう言ってもう乞えも出せないぐらい硬直した私の横を通りすぎた彼女は、袋に入っていた牛乳パックを取り出してそれを中が飛び出すぐらい乱暴に開け、こっちを見据えたままパックに口をつけて一気に飲み始めました。
わ、私…なんでここにいるんだろうとか、なんかもうそんな気分でしたよ…。
それでとにかく大急ぎでご飯を作って、私は彼女の前に出しました。昨日と同じです。
なんか…人間の食事風景に見えないんですが。
それを尻目に、私は台所にいくフリをして玄関に走りました。でも、でも手が震えてしまって!
チェーンが開けられなくて、まごついた間に彼女が迫って来て、その時なんとかドアを開けて、飛び出したんです。
悲鳴を上げればって言われても、声なんか出せません!せいぜい裸足で逃げ出すのが関の山です。
昨日から寝てないし疲れてるし怖いし気持ち悪いし…!!!
でも、一気に腕を掴まれて中へ引きずり倒されてしまって。また後ろ手にドアが閉められたんです。
「まるで私が酷いことしてるみたいじゃない。どうしてそんなに震えるの…?」
転んだまま凍りついた私の上に覆い被さるようにして言う彼女の髪がまた怖い…。
正直、私はなんで彼女が私にこんな怖いことをするのか、分かりませんでした。
もっとも、そんな風にまとまった考えができる精神状態でもなかったのですが。
殺される!!
そう思ったんですが、彼女はただまた元の通り座ってただご飯を食べて、それから私を見てあの笑顔で…。
「賭けてもいい。…誰もあなたの言うことは信じないわよ」
それはそうかも知れないですが、こう言われればいくらなんでもなんでこんなことされるのか気になるじゃないですか。
だから聞いたんです。だって、金銭目的でもないし、彼女に利がないでしょう?でもね、その答えは
「あなたの善人面、鼻につくのよ」
…私もです…(血涙)。今は言われた意味、分かりますが…。
…人の悪意がこんなに怖かったことは、ついぞないです。自分の行いも直さないとって思ったのは。
それで、彼女が低い声で理由を語ってくれました。
彼女が友達になりたがっていた作家さんを、横から私が奪う形で友達になってしまったこと。
誰にでもにこにこするのが気に入らないとか。…言われて、痛い事もありました。
言われないと自分が悪かったってこと、分からなかったりするじゃないですか。
ただ怖いのは彼女が言う理由は全部、「私が○○のはずだったのに」と、あくまでも自分が最優先なんですね。正義なんです。
「…だって、殺しちゃったら私、犯罪者だもの…。でも、あなたが悪いのよ。全部あなたが悪いの。分かる?」
彼女のその時の目、もう鬼火が光ってるようでした…。
怖くて、恐ろしくて、もう息も止まってたんですが、その時またドアが叩かれて。
のろのろ彼女とドアの方を見たら、友達の声が!
返事がないのを不審に思ったのでしょう。もう一回叩いてくれて、思わず私の口をふさごうとした彼女の手を振り払って今度こそ
「助けて!」
って叫びました。
それで彼女を振り払ってドアに飛びついたんですが、どうしてもチェーンが外せなくて。ただカギだけは開いたから、その隙間から友人の顔が見えたときは本当にうれしかった…!!!
もう、この友人に私の言ってることが信じてもらえなくてもよかったんです。
この場に来てくれたことが、本当に死ぬほどうれしかったんですよ。
もうぼろぼろに泣いてる私と、その私を諌めようとしてた彼女の様子がおかしいことにやっと気がついてくれたのだと思います。
見る見る彼女の顔から笑顔が消えて、
「香葉さん…。どう言うことなんですか?」
そう言ったときに、やっとチェーンが外れてくれました。
友達が入ってきてくれた瞬間、もう飛びついて泣く私におろおろしながらも、友人がその彼女を見て言ってくれたんです。
「絶対、なんか…香葉さんの方が怖いよ。なんなの?なにがあったの?なんでこの子こんな泣いてるの!?」
歯の根が合わなくて、ただ泣くだけで私はほとんどなにも言えなかったんですけど、多分私の状態や部屋の様子でなにかおかしいって思ってくれたみたいなんです。部屋の床にまだ生肉が落ちてたりしたし。
彼女は、暫く考えてからまた笑って言いました。
「…人がせっかく遠ざけたのにね」
「だから、なんなの!?」
「私、あなたのことも嫌いになたわ…」
その時の、声。目は見えなかった。顔とか、私後ろ向いてたから全然判らなかったんですが、ゾワリと私の首筋に鳥肌が立つのと同じタイミングでしがみついてた友達の身体も震えたのだから、想像がつきます。
それからおもむろに彼女はゆったりと部屋から荷物を取って、最初に彼女の怖い顔を見た私と同じように硬直した友人と私をゆったりと覗き込んで部屋を出て行きました……。
玄関に、最後にかじって食べ終わった骨付き肉の残骸を投げつけて!!!
もう…後日談とか書いたら、ネタ扱い決定ですよね…。
いや、今の段階でもネタにされてるでしょうし、控えます。
私は今、もう同人誌はやってません。余りに怖くてもろもろあった後、実家に逃げ帰りました。
彼女の消息は分かりません。ただ、私の身の回りからは消えてると思われます。
鳥取在住で(実家)、当時ロングヘアーの美人、見かけはちょっとしたモデルなみです。
人当たりのいい笑顔は抜群で、大抵の人は騙されるでしょう。まず一発で。社交術とか、話とかも上手で、回りにいつも人がいるタイプなので。
ジャンルはジャンプ系…でした。今はちょっと、分からなくなってます。すいません。
名前とかは勘弁して下さい。でも、今ここ(2ch)にこうして書きこんだのは、自分がもう負けないと云う意思をはっきり持ったせいなので。それでも時々夜とか怯えましたが。
一人を徹底的に叩いた後、興味が移ったらまた…って人のようです。ただ、彼女同人だけしているわけではないので…。
仕事は、郵便関係、でした…。
WJのSD……。
私は、当時別のジャンルも手がけてましたが。(こっちは委託してもらってました)
後日談…後日談は、また今度にして下さい…(泣)。
また涙が出て来そうです。
皆さん、くれぐれもご用心を…。友人も今は落ち着いて着てますが、一時私より酷くうなされたりして…。
では、とにかくお仕事して帰ります。
私の書きこみで不愉快になった方々、本当にごめんなさい。
当時の状況を招いたのは私の弱さも十分あります。「いい人面」も、心に染みました。
売上金は、合っている…と云うより、多かったです。あの子達、最初から盗るつもりだったみたいでちょっと高めに売ってたみたい。冊数からすると多少の誤差はあるかもしれませんが。
今は当時のことは深く反省してます。文章は…もう、当分書きたくない。
彼女が凄く誉めてくれたこと、ここを見て欲しいってところを誉めてもらったこと…
それが脳裏に焼き付いてて、切ないんです。小説は、当分書きたくないですし、今書いたら憎まれ役が全部ロングヘアの美人になりそう。
これ以上のことは、またこっそり書きこませて下さい。長々とごめんなさい。
–END–
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