私大道具やってたんですが、劇場での幽霊話はない方が少ないってくらいよくあるんです。
東京の某有名劇場なんかでは幽霊に名前をつけてたりしますし。
それに、仕込みとかで幽霊がでたらその公演はあたるみたいな話にもなってたり。
で、その劇場でおもしろい話がありまして。
うちら演出部は、セットの作りとかから、客入れ(会場)から次の場面転換までずっとセットの裏なんかでスタンバイしなきゃいけない時があるんですね。
業界用語で「飼い殺し」っていうんですが。
で、ある公演で先輩がその飼い殺しをやってたんです。
最近の芝居は緞帳を使わない場合が多いんで客入れの間セット裏は真っ暗なわけです。
初日も無事終えてしばらくして、その先輩が変なことを言い始めたんです。
客入れの間、ずっと誰かが自分に声をかけてくるんだ、と。
でもその周りには誰もスタンバイしてないんですよね。
そんな話を聞いた舞台監督さん、わかったように
「ああ、じゃあこの公演は成功だな」
と笑うぐらいで。
で中日ぐらいですか。
その先輩が担当変えてくれと泣きついてるんですよ。
話を良く聞くと、セットのうらからキッカケをとるためにのぞき穴みたいなのをつくってたんですね。
客入れのとき、どうしても気になった先輩がそののぞき穴から舞台をのぞきこんだらしいんです。
すると、だれもいない筈の舞台上で子供たちが遊んでるのを見たらしいんです。
んで、その先輩のかわりに何もしらない新人君がやるようになったんですが、それ以来何も起こらなかったみたいです。
で、千秋楽。
芝居はTVタレントが多かったにもかかわらず劇評は上評判。
でも、その打ち上げで、主役の役者二人が口をそろえていったらしいです。
「子供に戻ったように芝居を楽しめた」
と。
その芝居以来二人は舞台役者として評判をあげることになるわけですが・・・
まあ、そんな感じ話です。
怖くないですな・・・すまん。
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