俺が中学生のときの話。
確か2年生だった。
俺は理科が大好きで、実験なんか大張り切りだった。
つーことでよく理科準備室、ほら、ホルマリン漬けやら人体模型が置いてあるとこそこにちょくちょく忍び込んだりしてた。
そんときの話
ああ、知っているかもしれないけど、理科準備室には実験とかで使う薬品が瓶詰にされて棚いっぱいにおいてあるんだ。
俺はそんな薬品の、小難しい注意書きとかを見て悦に入ってた。
そしたら或る日、その中のひとつがぽこぽこと泡立っているのに気付いた。
初めて見たときは作りたてなんだろうな、と思ったけどその1ヵ月後にもう一度見たときもまだ泡だってんの。
その次のときも。
俺は、一体どういう薬品だろうって思った。
だって、その薬品、完全密封されてるんだぜ?
ラベルもそれに限って貼ってないし、物知りの友達に聞いてもわからない。
忘れようとしたけど、すっごい気になってできなかった。
しゃあないから、忍び込んだのばれる覚悟でその薬品のこと理科の先生にきいたんよ。
そしたら、
「そんなの見たことない」
だって。
「じゃあ見せたる」
その放課後、俺は先生の手引っ張って理科準備室につれてった。
ねぇの、それ。
何回も見たのに、はっきりおぼえてるのに。
「ないじゃないか」
「んな馬鹿な」
結局叱られるだけだった。
で、俺はそのまま卒業して、いつのまにかそんなことわすれちゃった。
そしたら半年ほどして、その先生捕まっちまったらしい。
理由は知らんけど。
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