学生時代の話。
盆にダチと2人で帰省しようと車で夜の峠道を通っていた。
ダム湖の近くで開けた場所だったが、人っ子ひとりいない寂しい所。
民家の明かりも無く、背の高い電灯が長い間隔でポツンポツンとあるだけだ。
しばらく走ってると、電球が切れそうなのか薄暗い電灯が見えてきた。
それほど珍しい光景でもないんで気にしてなかったんだが、助手席のダチが「おい!何だよアレ?」といきなり声をあげ始めた。
指差す方向は、その薄暗い電灯の首の辺り。
そこに何か黒い影が見える。
どうも、コウモリのような物がぶら下がっているように見えた。
しかし、やたら大きい。1m近くありそうな感じだった。
不気味だったが興味もあり、車の速度を落としその電灯の下を通ると…。
何の事はない。ただ傘がぶら下がってるだけだった。
なんだよ脅かしやがってー!と笑いながらまた速度を上げたんだが…。
しばらくして「でもよ、ちょいおかしくね?」とダチが言い出す。
電灯は非常に高く、5m以上ありそうだった。
周りは開けた場所で木もない。
一体、誰が何の目的であんな所に傘をぶら下げたと言うのか?
それに気付いて改めてゾッとした。
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