僕はハンドボール部に所属しています
僕の学校はなかなかの強豪校で練習はきついし先輩は怖いし入学当初はほんとうに辛い日々でした。
僕は一年のころから試合に出させてもらっていました
そして初めて迎えた夏の総体
決勝戦、延長戦までもつれこみ、残り時間わずかで31対31の同点
ラスト10秒、ノーマークで僕にボールが来ました。
しかし、僕はシュートを外してしまうどころかミスを恐れてパスを出しました
しかも敵に。
そのミスで負けました。
相手チームはライバル校で毎年のように決勝戦で戦っているチームです。
だから余計に悔しかった。
泣き崩れている僕に先輩が、涙を流しながら、でも笑顔で
「しょーがない!泣いててもなにも始まらない!お前のミスはチームのミス!」
「一年のお前をサポートできなかった三年の俺らが悪い!!お前のミスで負けたんじゃない!俺ら三年が弱いから負けたんや!」
と言ってくださったのですが、相手チームが近寄ってきて僕に
「ナイスパス!オカマちゃん!(僕が童顔で女の子みたいな顔だから)」
とか言ってきました。
そいつらに殴りかかった先輩がいました。
その人は二年でエース
オリンピック有望選手の人でした
相手チームのエースもまだ二年でした。
来年絶対に勝つと誓ったあの日から時間が過ぎてまたやってきた夏の総体。
去年の夏を再現したかのような展開でした。
延長:33対33
残り時間9秒でエースの先輩がシュートチャンス
その先輩に対し相手チームのエースがタックルをして退場。
しかし7メートルスロー(サッカーで言うPK)を決めて僕たちが優勝。
僕はざまーみろと言う気持ちでいっぱいでした!
泣き崩れている相手チームになにを言ってやろうかとまで考えました
喜びに沸くチームの輪を離れて一年前に殴りかかったエースの先輩が相手チームのエースに近寄っていき、どんな仕返しをするのかとワクワクしてそれを見ていました
しかし先輩は手を差しのべて抱きしめ
「ありがとうな!お前らが相手じゃなかったらこんな会場沸いてないぞ。」
と言ったのです
そして表彰式も終わり帰る準備をしているときに、部の揃えのシャツの背中に書いている言葉が心に突き刺さりました。
真の王者の心得
敬意を示し
強きものに強く
弱き者にも強く
覇者には覇者の責任あり
そんな我らの心意気
風 早きこと風の如く
林 静かなること林の如く
火 侵略すること火の如く
山 動かざること山の如し
この気持ちを忘れていない先輩となにも考えていない僕
この気持ちの違いが先輩との差なんだと思います。
僕はまだまだです。
ありがとうございました。
『ゆうや(年齢17歳・♂)』さんからの投稿です。
ありがとうございます。
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