私の家には、今年で百歳になる祖母が住んでいます。
ボケ気味で、時々訳の解らない言葉を突然叫ぶ事があります。
その祖母が昨日、食事中にこんな事を大声で突然叫びました。
「ああ!いくんやね!ちゃんと三途の川渡るんやでぇ!」
家族はいつもの事なので、その時は気にも止めませんでした。
食事も済み、母親が飼い犬の「さくら」に餌をやりに行きました。
しばらくして、母親が少し落ち込んだ様子で部屋に戻ってきました。
私は母親にどうしたのかと訊くと、母親は「さくら、冷とうなって死んでたわ」と言うのです。
さくらは高齢ではあるのですが、昼に散歩に行った時は元気でした。
その時、祖母は両手を胸の前で合わせ、何かぶつぶつと言っていました。
それを見た家族全員も、不思議な感傷に捕らわれ、皆胸の前で両手を合わせました。
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