ある日の深夜、俺は一人無人の居間を独占してPCに向かっていた。
背後で、カサリと枯れ草を踏むような音がして振り向くと・・ヤツがいた。
黒光りする体躯。トゲトゲの足。長い触覚・・。
見間違えようもないソイツの名は、通称”G”。
遙か太古より生き残り続けてきた、主婦の敵。
斯く言う俺の天敵でもある。
開け放たれたままの居間の敷居・・廊下と部屋の間に鎮座するGは、今まさに俺に気づいたようにこちらに頭を向けた。
悪寒が走る程に大きい。
叩き潰す事すらおぞましく感じ、とっさに立ち上がり・・両手を掲げて威嚇した。
・・が、微動だにしない。それ所か、こちらに突っ込んで来そうな気配。
・・・・なぜ、逃げない!?
・・! まさか、俺の心を読んで・・!?
Gがそのような超能力を会得しているかどうかは不明だが・・肝が座っている事には違いない。
撃退不可能を悟った俺は、やむなく捕獲に切り替えて使えそうな器を探す。
・・為に動いた瞬間、G 逃亡。
・・・もしや、俺はバカにされたのか?
事実は判らない。神のみぞ知ると言うやつだ。
・・そして今、わが家では大小様々なGが多数出没し、冷蔵庫下にホウサン団子が設置された。
ヤツはまだ・・・現れてはいない。
『カムル(年齢26歳・♂)』さんからの投稿です。
ありがとうございます。
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