私の夫の話。
夫が5歳のとき、初めて覚えた電話番号がおじいちゃんとおばあちゃんの家の番号だった。
夫は嬉しくておじいちゃんに電話をかけた。
爺・・「お、○○(夫の名前)、突然どうした?」
夫・・「あのね、自転車が欲しいの」
初めてかけた電話でおねだりをする夫・・・・。
その日の夕方、夫の家に突然おじいちゃんが自転車を持ってやってきた。
普段はとても口数が少なく、とても厳しい昔の男のおじいちゃんも、孫である夫にはとても甘かった。
そんなおじいちゃんも夫が13歳のときに他界。
痴呆が少し出てしまっていた入院中、夕方5時のサイレンが鳴るたびに「○○はちゃんと防空壕に入ったか?」と、か細い声で付き添いの人に聞いていたらしい。
おじいちゃんが他界したとき、夫は狂ったように泣き喚いたそう。
私は祖母と仲が悪かったので、話を聞いてとても夫が羨ましかった。
彼の優しい性格はそんなところから来てるんだなと実感した。
私もおじいちゃんに会いたかった。
「○○の嫁です」って言ってみたかった。
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