小学校5年生の時、大好きだった先生がちょうど今頃交通事故にあった。
若い先生で、厳しかったが優しい先生だった。
「ちょっと長い夏休みになりそうだよ」って言う教頭先生からの話。
みんなで千羽鶴を作って、秋に予定していた「林間学校」には一緒に行こうね、って言う言葉を添えた。
先生は、夏休み、運動会と一度も学校へ姿を見せることもなく、お見舞いに行っても面会謝絶で会うことすらなかった。
代理に来てくれていた先生も熱血先生ですごく良い先生だったが、なんだか「こいつは偽物だ」みたいな空気が、いつも教室の中にあってなんだかつまらない日々が続いた。
そして迎えた約束の林間学校。
誰もが諦めていたけれど、先生はやってきた。
事故前の面影は無く、頬も痩けて、子供の目にも別人のようだった。
先生は「約束を守りに来たんだ!」と言ってくれ、みんなと以前のように楽しく遊んだ。
みんなが先生を取り合いにして、先生も苦笑いしながらそれに答えてくれた。
・・・その1週間後、先生は死んでしまった。
林間学校から帰って来て、容態は急変したのだ。
「約束」を果たし、緊張の糸が切れたかのように。
後日聞いた話によると、この先生は、実は林間学校の時、病院から抜け出して来たのだ。
他の先生が車で乗り付け、脱出してきたということだった。
無理をさせてしまったんだろうか、、、俺たちのせいで死んだんだろうか。
楽しかった思いでと共に、いろいろなことを一度に学んだ。
先生と最後に過ごした、林間学校の思いでは今でも忘れません。
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