うちの親父は不器用で、頑固で、間違ったことでも絶対間違っているなんて言わなかった。
そんな親父が、俺が中一のとき母がサラ金から金借りて、家を追い出された次の朝に初めて朝飯作ってくれて、ワカメの入った卵焼きと、ちぎった海苔の入った味噌汁、たくあんの入った納豆、それからなんだかよくわからない小麦粉の焼いたやつを、朝早くから作ってからみんな起きる前に仕事に出て行って、テーブルのメモに「お母さんはしばらく帰らないから、まずいかもしれないが父さんの作っためしで勘弁してくれ」って書いてあって、まさか親父が俺たち子供にそんな言葉かけるとは全く思っていなかったから、驚いて妹と二人で朝飯食ったのを覚えている。
だけど、飯食い終わって学校に出ようとしたら一本の電話が鳴って、それが病院からの電話でいきなり「お父さんは亡くなられました」って電話来て、何がなんだか分からず妹と病院行ったら、血まみれで形も定かでない親父が横たわってて、医者に「出勤途中に車にはねられたんだ」って言われた日の事は、今でもホント忘れられない。
今思い出しても涙出てきて、一生このことは忘れられない。
悲しい