地元の俺を含める悪ガキグループは中学を卒業するとばらばらの進路を選択していたが喧嘩をして謹慎を受けたりバイクを乗り回し相変わらずなそれぞれの学校生活を送っていた、
卒業の単位を取れない者や既に退学処分を受けた者、様々だったが高3になり彼女の出来た俺はまともに就職先を内定させ卒業と同時に社会人となった、
学校を早くに辞めた友人達は現場仕事やアルバイトに追われる毎日、それでも休みが合えば必ず集まって昔話や異性の話で盛り上がっていた、
高校を卒業し1年、花見の季節を迎えた頃、仕事中に友達からメールが届いた、
“今日8頃からいつものメンツで花見するから集合よろしく”
参加のメールを折り返し仕事を終え改めて電話をした、
「何時頃地元着く?早く帰ってこいよ!お前こないと始まんないんだからさぁ」
「わかったよ!なるべく急ぐから!」
駅の階段を駆け登り普段より1本早い電車に乗ると地元の二駅手前で携帯が鳴った、
「今どこ?まだ?先にお前のオススメって言ってたラーメン屋行ってるぞ、」
「了解、電車だから切るよ、」
地元の駅に着き家迄の距離をスーツ姿のまま走っていると再び今度はラーメンを一緒に食べているはずのもう一人の友達から連絡が入った、
「たか(仮)さっき交通事故で今、病院に緊急搬送された、」
聞き慣れない友達の泣き声に携帯を持つ手が震えしばらくその場に立ち止まってしまった、
どれくらいの時をその場で過ごしてしまったかわからないが再度友達から連絡が入った、
「今、たかが亡くなったから遺体と一緒に俺らも地元に戻るわ、」
涙が頬をつたい返事も出来ないまま電話を切り自宅に向かいまた走り出した、
家に着くと親同時連絡を取り合っていたらしく母親がたかの家まで車で送ってくれた、
たかの妹2人に迎えられ布団の敷いてある居間に通されしばらくすると一緒に花見に参加しようと先発していた仲間とたかの両親が戻り遺体をみんなで布団に寝かせ、しばらく無言でいたがたかの両親は顔にかけてあった白い布をめくり触ってあげてと伝えた、
たかは顔中アザだらけで事故の凄まじさを物語っていたが触れるとまだ暖かく今にも起き上がり俺の手を引き、花見に行こうぜ、とでも言わんばかりの温もりを感じさせた、
帰宅しどれくらい泣いたかわからなかった、車2台でラーメン屋に向かう途中、たかはハンドル操作を誤り縁石に乗り上げ車が横転し、激しく頭部を打ち付けほぼ即死状態であったが助手席にいた友達は奇跡的にも無傷であった、
次の日通夜に参加しお焼香の途中で助手席に乗って無傷だった友達に一通のメールが届いた、
“誕生日おめでとう!!これで俺より一つおっさんだな”
たかからだった、
通夜の日は友達の誕生日、たからしい計らいだった、当時携帯のサービスであらかじめメッセージをセンターに送信していると当日に本人にバースデーメッセージが送信されるというものだった、
通夜の晩、たかの欠けた元悪ガキグループは泣き笑いした、
ひらりんさん(男性)からの投稿でした
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