今から数年前の夏。
私を含めた男女四人で、地元で有名な心霊スポットに行った。
その心霊スポットは、ダムの脇にある駐車場。
駐車スペースは5~6台分と、薄気味の悪い電球の切れた男女共同トイレがぽつんとあるだけ。
時刻は午後12時を回った所で、私は幽霊など全く信じていなかったので、車の助手席で悠長にタバコを吹かしていた。
しばらく駐車場に車を止めていたが、案の定何も起こらず、私以外はがっかりした様子でその心霊スポットを後にした。
その後、大通りに出て車を走らせていたのだが、台数は多くないが、すれ違う車という車にクラクションを鳴らされる。
そのうちの一台が車道脇に車を止めて、出てきた初老の男性がこちらに手を振るので、こちらの運転手もイライラしながら脇に車を止め、外に出た。
「なんなんですか、さっきから!?色んな車からバッシングされてるけど、速度とかちゃんと守ってるよ俺!!」
「そんな事はどうでもいい!!お前ら虐めかなんか知らんが、車の屋根に女の子を乗せたまま走るんじゃない!!危ないだろう!!」
初老の男性は憤慨した様子で言った。
確認すると、そんな女の子はいなかった。
変わりに、車中に小さな手形が無数にあった。
嘘のようで本当の話。
文章にするとあまり怖くないけど、私はそれからしばらく車に乗れなかった。
ちくわさん(女性)よりの投稿
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