何と顔がこっちの方にむいてるじゃあ~りませんか…(T_T)
全身黒こげ…頭髪は燃え尽き、口の一部は腐ったのかハエに食われたのか、一部骨が露出している様にも見えた。
…ここまでひどく焼けてるとなると、ガソリンかぶったみたいだな…
(実は当時、私は科学を専攻していた院生でした…)
もともと生物の肉体はそう簡単には燃えない。総体重の半分は水分なのだから、「全身黒こげ」となると相当量の可燃性物質を浴びてから、自らに火を放ったとしか考えが付かなかった。
そうこうしている内に警察が到着。初めて「事情徴収」受けましたです。はい。
担当のおまわりさんが「とんだもの見つけちゃったねぇ」と苦笑いしながら、私に言った。
私は「はぁ…」としか返答のしようがなかった。
おまわりさんが「手に持っている紙切れは何?」と聞いてきたので、
「近くで拾いました。遺書みたいです…」と答え、私は紙切れを渡した。
この時、私は妙に冷静だった事を覚えている。
ちなみに友人は「ガクガク・ブルブル」で事情を聞ける状態ではなかったそうな。
…そりゃ、普通はそうだ。
「その細かい物は何かな?」と別のおまわりさんに聞かれたので、
「御遺体の周囲に散らばってます。適当に集めてみたら、何かの絵みたいなんですよねぇ…」
何故か、私はこの絵に何か見覚えがあった…実は「この絵」が更なる戦慄を私にもたらす事になるとはその時は、夢にも思っていなかった。
友人は車を運転できる状況ではなかったので、私が運転し、帰途に付いた。
家に戻り、両親に事情を話した所、見事に「沈黙された」。
食欲など全くわかなかったので、早々に寝ることにしたのだが…その時、私は思い出した。
「あの絵…確かミンキーモモっていうアニメーションじゃなかったか?」
正直言って、私はアニメには興味がない。
が、予備校時代の知り合いに変わった奴がいて、そいつが「ミンキーモモ」好きで、当時いろいろな「グッズ」を予備校内で持ち歩いていたので思い出したのだ。
真性ロリコンで、医学部志望、「ちっちゃい子が大好きだから、小児科医になりたい」等とほざく、私が人の親ならば「絶対医者にはさせたくない奴」であった。
…といっても成績は理学部志望の私より悪かったので、「まず、医者は無理だろうなぁ…」とは思っていた。
「そういや、あいつ…どうしているんだろう…まさかなぁ…」
…がそのまさかがものの見事に当たってしまったのだ…
しばらく経って、同じ大学の予備校以来の友人が私の所属する研究室にやって来た。
「時間ある?」
「ああ、いいけど…珍しいなぁ。何?」
「***が横須賀で焼身自殺したらしいんだよ。1週間ほど行方が分からなくなっていて、親御さん捜索願出してたらしいよ。」
「それもさぁ…自分の周りに「ミンキーモモ」グッズ切り刻んでばら撒いたらしくてさぁ。」
私は自分の血がみるみる引いていくのを覚えた。
「どうしたんだよ??おい!」
「それ…見つけたの。俺だ…」
絶句する友人…これ以上、会話の必要はなかった…
4浪の末…受験したすべての大学の入学試験にPASS出来ず…という事だった。
覚悟の上の自殺だったのだろう。
奴は私に「見つけて欲しかった」のだろうか?
とにかく、未だに「ミンキーモモ」の絵を時たま目にしてしまうと、
当時の「ハエの羽音」と「焼け焦げた顔」がフラッシュバックする事がある。
私の数少ない、恐怖体験であり、「トラウマ」でもある。
長文、スマソ。
–END–
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