俺には由香里っていう彼女がいた。高校の終わり頃から付き合ってて、もう5年になる。由香里と俺はすっげぇ仲がよくて、毎日のように会ってほとんどの時間を一緒に過ごした。俺、マジで真剣に結婚も考えてた。
そんな毎日の中、いきなり由香里が倒れた。病院行ったら検査するために10日入院することになったと聞いて、とりあえず無事やなと安心した。
その10日間、俺は毎日お見舞いに行った。毎日毎日病院が開くときから閉まるときまでずっと由香里の隣にいてやった。そして5日目の朝、いつもどおりお見舞いに行ったら、由香里はまだぐっすり寝てた。「よく寝るやつだな」って軽く笑いながらつぶやいて、いつもどおりベッドのそばに置いてある椅子に座った。由香里の寝顔はめちゃくちゃかわいくて、ずっと一緒にいたいと、俺は思った。
そのときに俺は決断した。明日、由香里にプロポーズする…!
そして6日目、俺は病院に向かい、由香里の病室に入った。由香里は今起きたといわんばかりの表情で「あっ隆志おはよ~」とあいさつをしてきた。俺は笑顔でおはようと言い返し、由香里の目を見て真剣に言った。「なぁ、由香里??俺、一生お前といたい。一生守ってやりてぇんだ。…俺と…結婚してくんねぇか??」
由香里はこの言葉を聞いてマジびっくりしたような表情してた。そして由香里は返事を返した。「私でよければ…よろしくお願いします!」泣きながらそう言った。
俺、かなり嬉しくて、由香里と一緒にずっと泣いてた。
そして、10日目の朝。由香里の検査結果が出た。医者は、なんか曇った表情をしてた。「落ち着いて聞いてください…。おじょうさんは肺がんです…。残念ですが、あと1ヶ月持つかどうか…。」
は?由香里が肺がん??持って1ヶ月??なんで??もうプロポーズもしたんやぞ??結婚するんやぞ??子供も作って幸せな家庭築くって約束したんやぞ??なのに…なのになんで由香里が死ぬんだよ…。そんな言葉が頭をずっとよぎっていった。
俺は家に戻ると体中の力が抜けてベッドに倒れこんだ。それと同時に涙がどっとあふれ出て来て、その日は一晩中泣き明かした。
俺はそれからも毎日毎日由香里のそばにいた。もちろん由香里には余命1ヶ月とは伝えなかった。俺は二人だけの病室で由香里にこう問いかけた。
「なぁ由香里、ほんとに俺なんかでよかったんか???」
すると由香里は笑顔で答えた。
「もちろんやで!私な、隆志とやったら何でもできる気がする。私、隆志と結婚したら子供産んでめっちゃ幸せな家庭築いて笑いの絶えない家族にしたい!!ていうか、絶対そうしようね!!」
俺はそんな言葉を聞くのが辛かった。もう、由香里は死ぬっていうのに…。もう子供も作れねぇし、幸せな家庭も築けないのに…。
そしてその3日後、由香里の容態が急変して危険な状態だと電話が入った。俺は急いで病院に向かい、由香里の病室のドアを思いっきり開けた。でももう遅かった…。
由香里はめちゃくちゃ青白い顔してた…。俺は夢中で叫んだ。
「おい!!目ェ覚ませよ!!結婚するんじゃねぇんか!?子供産むんじゃねぇのかよ!!幸せな家庭作るって約束したじゃん…!!…なぁ…頼むから…目ぇ覚ませよ…。」俺はそう言って病室を飛び出して廊下で泣き崩れた。大声をあげて泣いた。
ずっと泣いてたら由香里の両親が来て手紙を渡された。俺は手紙の封を夢中で切った。
「大好きな隆志へ
私なんかに結婚しようって言ってくれてありがとう。私じつはもう長くないんだって知ってました…!でもやっぱ隆志にだけはありがとう言いたくてこの手紙を書きました。
いままでいろんなことあったよね…。一緒に海行って二人ではしゃぎまくったり。
遊園地でずっと笑いあってたり…。なんか思い出せば思い出すほど涙でてくるね…。やっぱ私隆志と離れたくない…。結婚したい…。ずっとずっと一緒にいたいよ…!
でももう無理みたいだね…。幸せな家庭築くって約束したのにね…。ごめんね…。
てか私なんか忘れて次の人早く見つけるんだよ!!
それじゃぁね…バイバイ!」
俺は手紙を見て大号泣した。そして俺は手紙を胸に抱きしめながら言った。
「ありがとう由香里。俺ずっとずっとお前のこと大好きやからな!」
被害妄想って楽しそう…由香里は後2重年は生きるでしょうね…まるで勝手に想像力働かせてるねぇ(?_?)