去年の花見。嫌われ者の馬鹿部長が泥酔し「俺にあだ名つけてよ」と絡んで回った。
同期のA君が「メタボリ君ってどうですか?」
当時は誰も意味を知らなかったが、理由を聞いても「いい響きじゃないスか」と言うだけ。
結局はそれに落ち着いた。恰幅のよすぎる部長はご機嫌にも自分のことをメタボリ君と呼び、相変わらず女の子の尻ばかり追っかけ回していた。
今年に入り、部内で急速に「メタボリ君」を使う人間が減っていき、流行語大賞の時期にはついに部長もその意味を知ることとなった。(部内で一番遅かった。)激怒する部長。A君は怒鳴り散らされ、時期でもないのに同県内の小さな出張所に転勤が決まった。
部長は渉外に絡んでおらず、あだ名が会社に損害を与えたことはなかった。明らかな低レベル報復人事。A君がいないと仕事が滞ると課長らが抗議したが聞き入れられなかった。
情報力のあるやつでも口は災いの元だなあ、と悔しく思った。
そしたら昨日A君が転職したと聞いたよ。うちよりずっとデカい会社に。
転勤が決まり荷物をまとめていた時の、A君の「やれやれ」という笑顔が忘れられない。
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