私が小学生の頃、仲の良かった女の子が居ました。
仮に名前をAちゃんとします。親ぐるみの付き合いで、自宅に呼んだり呼ばれたりして、よく一緒に遊んでました。
その家には小さい赤ん坊がいます。
年の離れた妹だとばかり思って居たのですが私の母が彼女の母親から聞いて、私に教えてくれた話によると、その子は、その時既に、6,7歳になっていたそうです。
つまり、成長しない病気なんです。見た目はどう見ても赤ん坊だし、言葉を話す事も、歩く事も出来ません。でも、一応母親の事は分かるらしく、母親が抱っこすると笑うし、母親が視界に入っていないと、泣き喚くそうです。
当時小学生だった私は、コトの重大さが良く解っていなかったのですがAちゃんの両親は随分悩んでいたみたいです。
その子は、二十歳になっても三十歳になっても赤ん坊のままなのです。
両親が生きているうちはいいが、死んでしまったら誰がこの子の面倒を見るのだろう。順番から言えば、母親は娘より先に死にます。
その場合、Aちゃんが赤ん坊の姿のままの妹を面倒みなければなりません。
縁談にも差し障りが出るかもしれない。
ただ、Aちゃんの家では、その赤ん坊の存在を隠すような真似はしませんでした。むしろ、積極的に話していたようです。それには理由があります。
その赤ん坊の障害は、先天性のものではなく、看護婦のミスによるものでした。赤ん坊を取り上げる時に、床に落としたというのです。
抗議して、他の産婦人科や警察にも相談にいったのですが、病院は同業者のミスを隠したいのか親身になってはくれず、警察も証拠の無い事で動いてはくれません。
病院側はあくまでも赤ん坊を落とした事実はないと言い張り、結局泣き寝入りする事になったのです。
ただ、せめて口コミで「あそこの病院は酷い」「行かない方がいい」と広めるために、あえてオープンにしているみたいです。
ここまでが、普通の酷い話。
後日談があります。治療すりゃ直るってもんでもないし、具体的に何をしに通っていたのかよく解らないんですけど、その子の治療(?)の為、定期的に専門の病院に通っていたそうです。
そこの待合室で、同じ病気の子供を持つお母さんと仲良くなります。
Aちゃんのお母さんは、上記の話を始めます。
すると、なんと相手のお母さんも、同じ病院で赤ん坊を落とされていたそうです。
成長ホルモン
閲覧数:2,399人 文字数:958 0件
コメントを残す