高校の時の親友の話。
高校二年生の時、一年の時からずっと仲良くしてた親友に、放課後、急に教室に呼び出されてさ、「知りたくなかったって思うだろうけど、お前に話したいことがある」って言われたんだ。
なんだ?って思ったけど、「話したいなら聞くよ」って俺、軽く答えたんだ。
そしたら「誰にも話したことないけど、俺、ゲイなんだ」だって。
ビックリしたよ。だって彼女もいたし、女の子にもモテたしさ。
俺、しばらく頭の中、真っ白になってさ、よく分からない感情に襲われたよ。
けど、色々思い返すと思い当たる発言があったんだよな。
一年以上友達やってて、やっと俺に話せたんだって思ったら、ずっと一人で悩んでたんだってことがすげー悲しく思えて泣きたくなったよ。
でもそいつ、ニコニコしながらさ、こう言ったんだ。「引いただろ?」って。その時、分かったよ。
こいつ、俺に理解されないかもしれないって覚悟があって話してくれたんだって。
俺の方が泣きそうになってさ、「引かねーよ」って言うのが精一杯だったよ。
すげー良い奴なのにさ、なんでこいつがそんなに悩まないといけないんだよって、怒りと悲しみが込み上げてきて、そいつに背を向けて泣いたよ。
そしたらそいつ、「ありがとう」って言った後、「お前が泣くなよ」って俺の頭叩いて帰っていったよ。
その後も俺達は何も変わらずに仲良くやってたんだけどさ、しばらくしてから俺、そいつに本当に好きな奴は誰なのかって聞いたんだ。(その時には既にそいつは彼女と別れてた。)
で、そいつの好きな奴が俺も知ってる同じ高校の奴だったからさ、色々話を聞いてやってたんだ。
当たり前だけど、そいつの「好き」って感情は俺らと何にも変わらない、純粋な感情だったよ。
「高校にいる間に告白したい」って話してくれたからさ、俺も「がんばれよ」って返事したんだ。
高校三年の二月、俺達は大学も決まってた。もちろん別々の大学。
ある日、そいつから電話が掛かってきて、「卒業する前に好きな人に告白してみるよ」って話されたんだ。
その時も俺、「がんばれよ」ってしか言えなかった。心の底では、告白しても無理だろ・・・って思ってた。
次の日、そいつの親から電話が掛かってきたんだ。「息子がリンチされて殺された」って・・・。
警察で聞いたら、そいつが好きだった奴とその友達らにリンチにあったらしい。
俺、気が狂いそうになるくらい泣いたよ。だってさ、好きだった奴に殴り殺されたんだぜ。
ずっと好きで、やっと決心して告白したのに、「気持ち悪い」「消えろ」って笑いながら殴られたんだぜ・・・。
そいつの無念さを思うと、俺、悔しく悲しくて、気がおかしくなるくらい泣いたよ・・・。
その後、自己嫌悪に襲われた・・・。なんで俺、一緒に行ってやれなかったんだろう、なんで俺、「がんばれよ」ってしか言えなかったんだろうって・・・。
家に帰ってもしばらく何にも食べられなかったよ。
そいつには、相談できる相手が俺しかいなくて、助けられるのも俺しかいなかったのに、俺、たぶん心のどこかで同じに思われたくないって思ってたんだ。
自分が最低だったおかげで、世界一大切だった友達を失ったよ。
もっと色々してやれること、あったかもしれないのに・・・。
葬式の時、そいつのお母さんからそいつが書いてた日記を渡されたんだ。
どのページも涙の跡がいっぱい付いてて、ところどころに付箋が貼られてた。
付箋の貼ってあるページには、俺のことが書いてあった。たぶんそいつのお母さんが貼ってくれたんだと思う。
自分がゲイだってこと、それを俺に告白したこと、俺が受け入れてくれたこと、色々書いてあったよ。
俺と出会えて良かったって、俺と友達になれて幸せだって書いてあってさ、涙が止まらなかったよ。
一番最後の日記には、好きな奴に告白するって決心したことが書いてあった。
『明日、○○(好きな奴)に告白することにした!たぶん引かれるんだろうけど・・・』
「引かねーよ」
俺だったらそう言ってやれたのに。
お前のこと、殴ったりしなかったのに・・・。
人を好きになるって?
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最悪な結末。告白されて引くのはまあ仕方ないにせよ、暴力振るうことないだろうに。しかも死ぬまで
それにカテゴリーがおかしい。いい体験じゃないだろ