小学生のころの話。
隣に越してきた住人が挨拶にきたのだが、玄関で迎えた俺はその顔を見て思わず目を伏せてしまった。その女の人は目の上が茶色く晴れて塞がってたのだ。
しかし挨拶に対応した両親はそんなことはまるで気にかけていない様子。
幼心に大人な対応だなと感心したが、その人が帰ったあと、好奇心から親に「どうしてあんな顔」をしているのか?と訊いてしまった。
すると親は「顔?顔がどうかしたの?」。とまるでこちらの意図を理解していない様子。
「目のところがすごいはれ上がってたでしょ」と聞いても釈然としない。
見間違いかと思ったが、外で見るその人の目はやはりどう見てもはれ上がっている。
そんな状態が数週間続いたが、ある日突然普通の顔に見えるようになった。
その人はなんかのトラブルを抱えていたのか、ある日突然いなくなった。
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