離れ島に家族でキャンプ行ったときに、夜になって皆寝付き、日中昼寝ばっかしてた俺は暇なので釣りにでも行こうかな~と思いたってキャンプ張ってる砂浜とは島の間逆にある港まで夜釣りに出掛けた。歩いて30分くらいの距離。
夜なので港には停泊船もなければ外灯もなく、月明かりで薄っすら視界が見える程度で、持っていたランプ型の懐中電灯でなんとか手元だけは明るくして海側に懐中電灯の光があたるようにして釣りをしていた。
釣れるのは小さな魚ばかりでつまんないなぁと思ってたら、足をふみはずして懐中電灯を海に蹴り落としてしまった。
やばい真っ暗だ・・・かろうじて港の形が見えるぐらい・・
帰ろうと思って慌てて荷物をバケツにつっこんで港の出口側に振り返ると、目の前に何かいる気配がしてビクっとなった。気のせいか・・・と思って携帯のライトを頼りに出口方面に歩き出し、ふと港の中心あたりに視線をやると、真っ黒な人間の影のような細い物体が5体ぐらい居て、消えたり現われたりしながら円を描くようにゆらゆらしてた。
俺は携帯もポケットにしまって、走り去るでもなくただただ無害な存在を心で唱えながら港を後にした。
大急ぎでテントまで戻り、父親と姉を叩き起こしてその事を告げると霊なんて全く信じない父親が「盆踊りでもやってたんだろぉ」と言ったのを聞いてなるほど盆踊りか、と妙に納得した。
姉は目も開かずにウヌウヌとあいづちだけしてまた寝た。
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