会社の近くの博物館に昼食を食べに出かけた。
博物館の中の喫茶店は、おいしいけどみんなに知られていないせいか、あまりこんでいないからゆっくり食べれるので、数回来た事がある。
いつもは、ロビーの近く席だけど初めて窓側の席に案内された。
席に座ると、視線を感じたので右側を見た。
ひとつ隣の席に暗い男がじっとこちらを見ていた。
顔は青白く、髪は顔の半分ぐらい覆いかぶさって表情ははっきり見えなかったが、こちらをじっと見ていた。
サイコみたいな感じでかかわりあいたくないので無視しようと思ったが、なんか気になるのでつい、チラチラ見てしまった。
相手は、こちらをじっと見ていた。
その表情は、何かおどおどしているようでもありなんだかこっちを小ばかにしている感じもした。
変なやつだなぁと思っていたが、もっと変なことに気づいた。
彼は、私と同じ服を着ていた。
よく見ると、彼のいる場所は、一面鏡張りになっていてそこに私が写っていたのだった。
こんな風に人に見られているのかと思ったら、情けないやら、悲しいやらで・・・そのまま鏡を見つめていた。
鏡の中の気持ちの悪い男はにやりと笑った。
確かに、にやりと笑った。
ドッペルゲンガー?
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