夜、道に迷ってしまい、三時間ぐらい闇雲にうろうろ歩き回った。
住宅街で、タクシーを拾おうにもタクシーどころか人も歩いていない。
やっと大きな道に出て、ほっとしたが、何かが後ろからつけてくる気配がする。しかし疲れ果てていた私は振りかえって確認する気力もなく、ひたすら黙々と足を動かし続け、やっと家に着いた。
ドアを閉めてふとドア横の窓を見ると、白いもやみたいなものがふわっと行きつ戻りつして、やがていなくなった。「それ」は私の家の中までは入ってこなかった。なんだったのかいまだに謎だ。
後ろの気配
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