俺は、霊感が強いほうだ、とりつかれておかしくなることもあった。
人が死んだ場所に行くとどういう人がどういう風にどんな気持ちで死んだかまで解ってしまう。
怖い目にもあったしハッキリ言って霊感なんかいらなかった。(親父は霊感強い。予知夢等)
そんな俺だが先月、親父が亡くなった。
親父は末期癌で血液中のカルシウムが急激に上がり痴呆のような症状も出ていた。
親父が死んだ時、後から俺が病室に行ったらおふくろが泣きながら
「お父さんがし・・・」 と言っていた。
おふくろの言葉を最後まで聞かず親父の所に行くと親父は冷たくなっていた。
もしもの時は感情殺してしっかりおふくろを支えていようと思っていたが、親父の姿を見て泣きじゃくって叫びまくった・・・
ショックでゲロ吐きそうになったのも初めてだった。
俺は頭が半狂乱になり長髪の為リングの貞子状態で泣きながらタバコを吸いに行った。
彼女と電話してまた泣いてタバコも吸って少し落ち着いて6階の病室に戻る時病室の少し手前で後ろに気配がした。
「○○君(俺の名前、親父はいつもこう呼んでいた。)
あまり悲しまないで。」
病気になる前の元気な親父だった。
俺は「無理だよ、そんなの無理に決まってるじゃねえか。」と話した。
そしたら
「お母さんと仲良く。○○君は一人前になって頑張って。△△(犬の名前)の事も可愛がってあげてね。親父の事は悲しまないで。」 って優しい親父の病気になる前の声だった。
病院で散々苦しそうにしてたけど、久しぶりに元気な親父の声が聞けた。
人間て霊体になったらその時の病気とかの苦しさなくなるんだなって思った。
この時ばかりは自分が霊感あって良かったと心底思えた。
俺の事心配で真っ先に来てくれたんだなって思った。
親父、本当にありがとな。
今まで恥ずかしくて言えなかったけど俺が世界で一番尊敬してるのは親父だよ。
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