二年前の話
ことの発端は大学の頃仲がいい男女数名と一緒に行った古都旅行だった
みんな中学の頃仲が良かった連中で、どうせなら中学の修学旅行で行ったルートを回ったり行きたかったのに行けなかったところへ行こうという話になった
俺の運転で1日目は奈良にいった 中学の頃回った通りに
「興福寺」→「東大寺」→「法隆寺」
という風に回っていると俺は水を飲み干してしまった 運が悪いことに俺は車に財布を置いてきたので一文なし、友達にも
「金を貸してくれ」
なんて言えない
どうするかなーと思いながら東大寺に行くと中で神社とかお寺によくある水が出てるところがあった
そこで俺は許可をとってその水を水筒に入れた
これで俺は悪ふざけをしてこのあといろんな京都と奈良の寺社の水を水筒に入れて飲んでいた
そして二日目になって京都の車折神社に行った 喉がからっからだった俺はまた神社の水を飲むことにした
そしてみんなが芸能神社でワイワイやってるのをよそに俺は奥の車折神社に向かった そこで目立たない、というか順路の端っこに水が出てるところを発見した
だけどどうも
「弁天」
って書かれたひしゃくが二本立てかけてあってちょっとなんていうか他の水が出てるところとは違うっていうか…
そんで注意書きが目に入った 内容は
「弁天様への献水です 水飲み、水汲みは水汲み場でお願いします」
でもなぜか当時の俺はこの意味がよくわからなかった
実際には確か水汲み場とは書いてなくてもっとわかりにくい専門用語だった気がする
それで俺はその専門用語をひしゃくのことだと勘違いして飲んでしまった
飲んで
「あー美味え」
って言ってると奥に普通の水が出てるところを見つけた 俺は一瞬で理解した
「この水は神様に捧げてる水で本来なら飲んだり手をつけては行けない水 この水汲みばっていうのはあれのことだったんだな」
って
それでさらにまずかったのがその水汲みば全体に手を突っ込んで水を飲んじゃったんだよ
つまり献水全体を汚してしまったってことだ
それで急に怖くなった俺は神主さんを見つけてあやまった 神主さんは笑っていたが
「弁天様はお厳しい神様ですからね」
と笑っていったのが俺の恐怖を助長させた
そして三日目も観光し終わり家に帰った
そしたらその夜、俺は急に発熱した 熱は39.6度
正直ただの風邪かと思って大学に連絡、インフルとコロナの検査を受けてこいと言われた
それで受けにいったんだがなぜか両方とも陰性 風邪じゃないかということになった
だけどおかしい 何日経っても治らない 1週間が過ぎた頃、友達が泊まり込みで看病に来てくれた
その時友達に聞いたんだが俺は
「布団をかぶると寒くなるんだよ!」
って言って何もかぶらずに寝たり夜に
「うあああわあああああ!!!!」
って足と手をばたつかせて暴れて声をかけるとまた眠るというおかしな状態だったらしい
それで友達に
「これって霊的なものじゃないか」
という話になった そこでやっと俺は車折神社での出来事を思い出した
それを友達に話すと家から歩いて20分ほどのところに弁天神社があるのでそこに謝りにいこうと言われて俺も賛成した
弁天神社に着くと神主らしき人が境内を掃除していてこっちを向いて挨拶したあと、
「お参りですか?」
と聞いてきた
「まあそんなところです」
と友達が答えると神主さんは
「信仰心があるのは良いことです 謝れるという心もご立派ですよ」
と俺にいってきた
俺はその時は深く考えられなかったがよく考えたら神主さんはきっと何かが見えてたんだろうなと感じた
それで心の中で一言
「弁天様、あなたへの水を汚してしまい申し訳ありませんでした」
と唱えた
それだけでだいぶ体が楽になったような気がした そして俺は次の日には熱が下がって三日後には完治した
読みにくい文章で申し訳ない けど、本当に神様への供物とかを手につけるのはやっては行けないことだと深く感じた出来事だった
それから弁天様、あなたの神社を貶すつもりではありません ただ、私のような愚か者が二度と現れたりしないよう注意喚起をさせていただきました どうぞ私をお許しください。
コメントを残す