10年以上前、休日に実家でゲームをしていた時の話。
地上アナログ放送が終了して少し経ったくらいだったはずだが、ゲーム用だから別に構わないと年季の入ったブラウン管テレビを使っていた。
あとから親に訊いたら自分が産まれてすぐくらいから使っていたそうだ。
当時まだ発売されて間もなかった西武開拓時代を題材にしたオープンワールドゲームで、自分はかなりのめり込んでプレイしていた記憶がある。
親と兄弟は朝から出かけており、朝から1人で存分にゲームができると意気込んでテレビに向かった。
昼食のカップラーメンを挟んでしばらく経った頃だったと思う。
日が傾きかけて少し眠くなってきたなと思った時だった、突然テレビの画面が真っ暗になった。
古いテレビだから接触が悪くなったかと思い映像端子に手を伸ばそうとした瞬間、スピーカーから流れていたBGMがプツッと切れて代わりに人のうめき声のような音がスピーカーから流れはじめた。
一瞬で背筋が凍りついた。
バグか何かかと思いコントローラのボタンを押したり電源を切ろうと思っても何も反応がない。
ただただ部屋に響く、1人や2人ではないであろうそのうめき声のようなものは地獄の底から響いてくるようだった。
今思えばコンセントを抜いてみるとかすればよかったと思うが、当時の自分はあまりにも恐ろしくなりそのまま家の外へ飛び出した。
1時間か2時間か、何も持たずに外へ出たため正確な時間はわからないがようやく家族が帰宅した。
先ほどあったことを捲し立てるように説明し一緒に部屋まで戻ったのだが、そこにはメニュー画面を表示して中断されているゲーム画面といつも通りのBGMが流れていた。
あの現象が一体なんだったのかはわからないが、それからしばらくはゲームをしなくなってしまった。
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