当時小学一年生だった時に病気で母を亡くした。
父はいなく祖父母は歳で兄弟3人を育てられず施設に入った。
それから2年くらいは母がいなくなってしまったことを思い出してはよく影で泣いていた。
そして2年後の3年生くらいのとき、ある夢を見た。
夢の中でふと気がつくと、実家にいた頃の行きつけの病院にいた(母が入院してたところとは異なる)。
受付と待つための椅子がある場所をふらついていると自分が通ってた時は1度も通らなかったガラスドアで仕切られた廊下の向かいに母がいた。
廊下は当時と同じく薄暗くて、その頃の自分は怖くて近寄れなかったが、何故か怖いという感覚はなく、招かれるようにガラスドアを通り母の元に向かった。
一緒に廊下を進むと開けた場所に出た。辺りは緑の蛍光灯といくつかの白い照明だけで照らされていて、どう見ても電源がついてないクレーンゲームが何台かあった。
(母はよくゲーセンに連れてってくれた。クレーンゲームがすごく上手くてよくお菓子を大量にゲットしてくれた)
自分と母はしばらく電源がついてないクレーンゲームをまるで動いてるかのように操作して景品が手に入ったように喜んだりした。母は終始一言も喋らなかった。
少ししてから母は自分を元のガラスドアのところに連れていった。
自分は行きのようにそのままガラスドアを通って振り返ったら、母は少しドアから間隔を開けた距離でただ立っていた。
「お母さんは来ないの?」
自分がそう言うと母は静かに微笑んだ。
その姿を見てすぐ目が覚めた。
母が入院してた時、親戚は自分ら兄弟を会わせようとしなかった。冷たくなった母の頬が、手が恐ろしく触れて別れを言えなかったことを自分はずっと後悔してた。
母は悲しいと思ったのではないかと考えていた。
だけど母はもしかしたら、本当の最期に自分と遊んで一緒に過ごして(他の兄弟の夢に出たかは分からない)、安心させてお別れしたかったのかもしれない。
そう思いたい。
今でもたまに母を思い出すが、未練は無い。
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