ある漫画を読んで思い出したんだけど、死んだ爺さん最後認知症になって街を徘徊して施設に入って死んでいったの。
爺さんが認知症かもから施設に入るまでの間がちょうど前の会社で身体壊して片耳聞こえなくなって仕事辞めて実家でボーッとしてた時期で、よく爺さん探しに行ってたの。
爺さん若い頃から柔道と空手と剣道本気でやってて戦争で戦果上げて勲章貰った人なの。
でもボケてボーッとするようになったり徘徊したり、家族の顔も分からなくなって、その面影無くなったの。
爺さん徘徊するとなんだかんだで近所の神社の境内にいるの。
近所の人もわかってるから
「爺さん神社にいるよ~」
って言ってくれたりするんだけど。
その日も神社に探しに行ったの。
そしたらいつものごとく境内でボーッとしてて
「爺さん、家帰ろうかー」
って言ったの。
そしたら
「お前剣道続けてるのか?」
と聞いてきたの。
一応大学まで続けてて、社会人になっても続けてたけど身体壊して休んでて、
「最近行けてないけど素振りはやってるよ」
って答えたの。
そしたら
「素振り見せろ」
って言ってきて近くにあった箒を持って素振りしたら
「箒貸して」
って言ってきて箒貸したの。
もう歩くのもやっとでヨボヨボなんだけど箒持った途端身体がスッと伸びてシュッとして素振りを何回かして、
「もう年やけど、こんくらい出来んと家族守れんから剣道続けなさい」
とボケる前の状態になったの。
箒置いた途端元に戻ったんだけど、結局施設入る前まで箒持って素振りをする姿は爺さん格好良かったわ。
なんかずっと忘れられん。
の
認知症になった人も亡くなったら全部わかるらしいよ。そう思ってくれてるのを嬉しく思うかも。