社会人3年目になるひとり息子が言った。
『父さんと母さんに会わせたい人がいる。』
うちの子ももうそんな歳になったか~と感慨深く感じながらも二つ返事で快諾。
恥ずかしそうに連れてきた女性.(以下A)は、少し内気ながらもピンと伸ばした背筋で正座をしていた。
そして、息子に良く似て優しい顔をしていた。
後日息子が言った。
『俺、あの人と結婚したい。』
当然こちらとしても願ったりかなったりなので、大いに賛成した。
息子がまた言った。
『だけど、一つだけ聞いておいてほしいんだ。
Aの両親はAが小学生の頃に事故タヒして、祖父母もすでにいない。
Aは両親のぬくもりや存在を充分にわからないまま育ってきたから結婚したらAのことを自分の娘のように接してやってほしい。
両親に甘えることをさせてやってほしい。』
だいぶ省略したけどこんな感じ。
そりゃもう当たり前だろ!と、俺も嫁も途中から涙ぐしゅぐしゅで泣いてんのか怒ってんのかわからない感じで叫んでしまったよ。
うちの息子もそんなこと言うようになったかと。
なにより本当に優しく育ってくれたのが嬉しかった。
この歳になって家族が増えるとはおもわなかったけど、
娘の手料理を食べさせてもらえる親父の気持ちがわかったよ。
息子も娘もありがとう。
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