この日本で怪奇現象に遭遇する確率が最も高いのは警察官だと思う。
まあ警神に守られてんのか知らんが、霊障に遭ったお巡りさんの話はあんま聞かないけど、俺の親父さんは警官だから怪談いっぱい知ってて、いろいろ話してくれたんだ。
その中のひとつにこんな話がある。
S御用邸の警備をしていた警備隊の話。
警備隊員がモニター室で監視カメラの映像を確認してたら、御用邸の敷地内の映像に、なにか白い影がボヮーって感じで浮き上がってきたんだって。
侵入者かと思ったんだけど、その影は海の中から浮き上がってきて、そのまま海の上で静止してたんだって。
なんだろうなと思ってたんだけど、敷地内の警備は皇宮警察の管轄だから、皇宮警察の人に無線で連絡した。
そしたら皇宮警察の人らもその影に気づいてたみたいで、警備犬数頭を連れて皇宮警察官が確認に向かうとこで、そっちも監視カメラをしっかり見て誘導してほしいと言ってきたから、警備隊の人たちも警戒を強化しながら、その影が映ってる映像を見てたらしい。
数分くらいで皇宮警察官数人が、警備犬(シェパード数頭)を連れてその影に近づいていったらしい。
警備隊の人達があと何メートルくらいとか無線で伝えて、現場の警官もそれにしたがってその影に近づいて行った。
影のすぐ近くまで来たところで、犬が急に何かにビビッて止まってしまったそうな。
仕方ないから警察官たちだけで現場に行ったんだって。
それで警官たちは、影まで数メートルのところにまできたらしい。
「なんですかそれは?」
と警備隊の警官が無線で聞いたそうだが、現場にいる皇宮警察官は『なにもいませんよ?』と無線で返してきた。
「そんなはずない。映像では確かに、あなたたちの前に何かが映ってますよ』と言っても、現場の警官は『何も確認できません』
って言ってきたんだって。
そうこうしてると、その白い影はゆっくり海の中に戻って行ったんだって。
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