30年ほど前、TVで有名な歌舞伎役者だか落語家だかが語っていた話。
この話を知っている人がいて、俺の記憶違いがあったら訂正してくれ。
その人がある地方の古い芝居小屋に公演に行った時のこと。
夜の部が終わったあと、その小屋の主人(だったと思う)から、
「夜更けに舞台に幽霊が出るから見てみないか」
と誘われた。
半信半疑のまま、彼と一緒に関係者が帰ったあとの静まり返った客席で待っていると、突然、サササササーッ!!という音が凄い勢いで舞台から花道を駆け抜けた。
昔、この小屋の囃子方(ツツミ?)だった男の霊なのだそうだ。
その男は音曲の腕は良かったのだが、女癖の悪さから妻との仲は最悪。
ある日とうとう、幕前に座って音曲を奏でている本番中に、嫉妬に狂った妻に幕の後ろから刺されてしまったのだそうだ。
その時に使われた凶器というのが、楽屋にあった小道具の長い青竹。
男は青竹で串刺し状態になったまま立ちあがって花道を駆け抜け、楽屋に入るなりバッタリ倒れてコト切れてしまったのだという。
サササササーッ!!というのは、「竹の先に茂っていた竹の葉が触れ合う音」と主人は説明していたそうだ。
子供の時に聞いた話なので曖昧な部分が多いが、ふと思い出したので書いてみた。
話の詳細や、その芝居小屋の所在などを知っている人がいたらなあと思う。
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