大学時代に、認知症の人が入るグループホームでアルバイトをしていた時の話です。
2年間アルバイトをしていましたが、利用者も高齢なため、2年間で5人の方が亡くなりました。
そういった環境なためか、奇妙な事もよく起こり、他の職員が体験したことをあげると、 亡くなった次の日、パタパタと階段をのぼる音がしたため、見ると誰もいない
夜勤中お経や、線香の匂い、チーンという音がする
風もふいていないのに、写真が揺れる、しかも写真が飛び職員へ向かって行く
などです。
私は霊感が無いため、一応信じてはいますが、そういうこともあるんだろうなぁ、ぐらいにしか思ってなかったのですが、夜勤中に一度だけ怖い体験をしました。
夜勤は、一人で9人の利用者をみるのですが、夜中2時の巡視も終わり、座って記録を書いていたところ、何やら泣き声が聞こえる…。
耳をすますと、泣き声は明らかに利用者ではなく、赤ん坊の泣き声なんです。
しかも、だんだんと大きくなっていく…。
それこそ、「オギャーオギャー」と、誰もが赤ん坊の泣き声である、と判断できる泣き声がホールに響くのです。
軽くパニックになった私は、声を確かめるために椅子から立ち上がると…
泣き声がピタリと止みました。
「なんだったのだろうか?」と思い
椅子に座ると、再び
「オギャー!オギャー!」
と泣き声が。
そして、立ち上がると見計らったごとく泣き止むのです。
3回ほど繰り返すと、どうやら風呂場の方から声が聞こえるようであると、何となく分かりました。
そして、4回目に立ち上がると……
泣き声は止み、今度は座っても泣き声はしなくなりました。
散々悩みましたが、一応、風呂場を確認しに行きました。
赤ん坊が転がっていたらどうしよう…
と思いつつ、風呂場のドアを開けましたが、中は特に異常はなかったです。
そんな、夏のある夜の出来事でした。
–END–
『ナガエ(年齢25歳・♂)』さんからの投稿です。
ありがとうございます。
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