武勇伝とは少し違うかもしれないけど、俺的には胸がスーッとした話
ある日の夜、実家に帰るために峠を越えてた
結構な山間の道で、ぽつぽつ民家が立ち並ぶだけの光もない道
そこで、俺が普通に運転してきたら、猛スピードで距離御詰めてきた後ろの車(黒塗りのセダン)が煽りまくって来た
対向車もなかったから抜きたいなら抜けばいいのに……みたいに思ってたけど、全然抜く気配もなく、ひたすらハイビームで煽るだけ
ウザくなってきたから、極限にスピード下げて抜かせた
横を過ぎる時、運転手がチラッと見えて、まあDQNカップルだった
女がゲラゲラ下品に笑ってて、男は何か勝ち誇ったように俺を見ながら追い抜いて、そのまま猛スピードで走り去った
ムカついたけど、まあいいかとそのまま走って行った
しばらく走ると、峠は最も緑が深くなる場所についた
マジで周辺に家どころか、街灯一つない道
月灯りもなく真っ暗
そんな道を走ってたら、なんか車が一台大破してた
ガードレールに衝突したみたいで、車のエンジン部分が派手に壊れて、一見しても走行不可
……その車、俺を追い抜いた車だった
DQNカップルが俺の車に気付いて、道路脇から必死に手を振ってた
そのあたり、場所によってはケータイも圏外になるくらいに自然が溢れる場所
真っ暗で車はなく、ロードサービスを呼んでも到着までに数時間かかること間違いなし
警察も然り
不気味な暗闇に包まれる中、俺の車が来たもんだから、必死になって手を振ってた
でも心が狭い俺
カップルの横を通り過ぎる時に、少しスピードを落として、窓開けてニッコリスマイル
クラクションを二回プップッと鳴らしてさっさと走り去って行った
あのカップル、夜の底に存分にブルったことだろう
面白い話だね・・・だけどさ、スカッとする体験談ばかりを読みたいわけではないんだよ、いい加減にしてくれんか。