パンをくわえて美少女にぶつかるってシチュエーションに憧れたことがあった。
で、ある日実行しようと思ってきっちり朝飯食べて腹いっぱいなのに、わざわざコンビニでパン買ってくわえて走ってみた。
自然な感じで。
でもさ、みんな進行方向が同じだから、まずぶつからないよね。
それでも俺はくわえて走り続けた。
遅刻ギリギリの時間になるように時間合わせて。
そしたら校門の前で遅刻狩りしてるヒゲの学年主任が
「何でくわえてるんだ?」
って言って来て、
「朝飯食う暇なかったんすよー!ギリギリっすよ」
とか言ったら
「ここで食べちゃいなさい、今日はいいよ、チャイム気にしなくていいから」
と優しい言葉をかけてくれた。
飲み物なしの焼きそばパンをモソモソしてた。
みんなに不思議な目で見られながら、ヒゲ先生と向かい合って食べた。
ヒゲ先生は気を遣って
「○○(俺)のお母さんは仕事してるのか?」
とかいろいろ話しかけてくれた。
教室行ったら隣の席のヤツ(男)が
「だいじょぶ?俺パン持ってるけど食う?腹鳴るとやだよね」
ってこれまた優しい言葉をかけてくれて、なんかね、もうね、切なくなった。
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