目が覚めたら、冷蔵庫の前に知らないおっさんが。
おっさんはゆっくりとした動作で冷蔵庫を開けて、牛乳を取り出した。
一体何をする気だ。
その時、俺は自分が金縛りになっていることに気がついた。
おっさんは口をつけて牛乳を飲もうとした。
おい、やめろそれは俺の牛乳だ。
しかも口つけんな。
きたねえだろ。
しかし、俺の体は動かない。
くそ。おっさん。ここまでして牛乳が飲みたいか。
しかも口つけてか。
やめろ。
やめろっっつううのおお。
俺は全力を振り絞ってガンを飛ばした。
しかし、おっさんは気がつかない。
ゆっくりと牛乳を口に近づける。
くそ。ぶっころすぞおっさん。
やめろ!!やめてくれ。
俺は必死に念じた。
唇が牛乳パックに付きそうになったその瞬間。
おっさんは俺に気がついた。
俺は渾身の力でガンを飛ばした。
おっさんは俺を見る。
じっとみている。
俺はガンを飛ばす。
ガンの飛ばしあいだ。
牛乳のためにも負けるわけにはいかねえ。
おら、来やがれ、おっさん。
男と男のガン勝負だ。
しばらくするとおっさんは牛乳を元に戻して冷蔵庫を閉めた。
しかしガンは外さない。
おっさん、なかなかやるじゃねえか。
おっさんはすっくと立ち上がり、気をつけの姿勢になった。
その時、俺をまっすぐに見つめて突然近づいてきた。
てか飛んできた。
うお~マジかよ。
おっさんの顔がすげ~勢いでズームインだ。
すげ~目だ。
ギョロ目だ。
しかし、俺も負けるわけにはいかねえ。
一瞬でも目をそらせば殺られる。
ガン勝負とはそういうものだ。
俺の目の前におっさんの顔が迫る。
このおっさん超やべ~ぜ。
このままじゃ、ちゅ~しちまう。
うお~~~~~~!!!
俺の目の前まで来ておっさんは急に薄くなった。
何!!
おっさんはそのまま気をつけの姿勢のまま俺の通り抜けていった。
さらにカーテンを通り抜けて行った。
気がつくと金縛りは解けていた。
俺は牛乳が安全だったことを喜び、深く眠った。
ポポは、四つ葉牛乳