通勤電車に乗っていると、腹が立つオヤジがいる。
とりあえず、そこに人が立っている、ということが眼中にないのか、無理に自分のスペースを確保しようとする。
自分が降りる駅になれば、自分だけが降りると思っているのか、出入り口の人を押しのけてでも、自分が降りる、という意思を周囲に示しながら、人をがんがん押しのける。
この三日間、そういうオヤジばかりが周りにいて、本当に腹が立っていた。
それで、今日の帰りにも、そういうオヤジがいて、僕が降りる駅なのに、自分が降りたいばかりに、僕を押しのけようと、がつがつあたってきた。
そいつばかりが悪いわけではないのだけれど、この三日間のオヤジ貯金ということで、とりあえず、そのオヤジのことを、思いっきり殴ってみた。
周囲にいる人々も、
「うわ」
ってな感じの反応であった。
「ななな、お前はなにをするんだ」
とかいう反応を想像して、その後の面倒くさいやりとりなどを考えると、
「なんて軽卒なことをしてしまったんだ~」
ってことで、すぐにひどく後悔した。
けれども、通勤電車というのは凄いもので、自分の精神とか権利とかいうものを放棄しているらしい。
殴られた人も含めて、そんなことはなかったことになって、すぐに無表情に戻り、そそくさと駅の階段を降りることに集中してしまったのである!
ある意味、すごいなあ、などと、感心してしまった晩なのでした。
黙祷
オマエはもう降車している