これは去年僕の身に実際に起きた出来事だ。
ある日薄暗いテレビ画面を見つめていると、髪の長い異様な形相をした女が、目を見開きこちらをじっと見つめていた。
怖くなった僕は自分の顔を手で覆い隠しつつ、ちょっとした好奇心から顔を覆った指の隙間から、テレビ画面をのぞき見た。
そこに映り出されていた映像は異様な映像だった。
先ほどの霊と思わしき者が、人を惨殺していく映像だ。
僕はひょっとしたら、行方不明者の中にはこうして霊に殺されている人が何人かいるのかな、と思った。
いつしか画面に映し出されていた霊の姿は消え、画面は砂嵐になっていた。
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